社会人が資格を目指すとき、最大の制約は時間です。まとまった学習時間を毎日確保するのは簡単ではありません。
ただ、実際に必要なのは長時間の学習より間隔をあけないことです。週に一度3時間まとめて勉強するより、1日30分を週5日続けるほうが、記憶の定着という点では有利になります。前回の内容を思い出す時間が短くて済むためです。
時間が足りないと感じるとき、多くの場合足りていないのは総量ではなく決まった枠です。「空いた時間にやる」と決めると、空いた時間はなかなか訪れません。
通勤の電車内、始業前の30分、昼休みの後半、寝る前の20分。どこか一つを学習の時間として固定してしまうほうが、結果的に積み上がります。
平日1時間の確保が難しければ、平日は30分・休日に2時間という形でも、月あたり約30時間になります。100時間規模の資格なら3〜4か月の計算です。
社会人が現実的に取りやすい資格には、いくつか共通点があります。
しかくびよりに掲載している資格のうち、学習時間の目安が100時間未満のものは147件ありました。選択肢は思っているより多くあります。
今の業務と関係のある資格を選ぶと、学習が二重に効きます。テキストの内容が実務のイメージと結びついて理解が早まり、学んだ知識をその日の仕事で使えるためです。
経理業務があるなら簿記、社内システムに関わるならITパスポートや基本情報技術者、人事や総務なら衛生管理者や社会保険関連の資格、といった具合です。
また、資格取得を支援する制度を設けている企業もあります。受験料の補助や合格時の一時金、書籍代の補助などです。まず社内の規定を確認してみる価値はあります。
最後に、続けるための現実的な線引きについて触れておきます。
繁忙期に無理な計画を立てて崩れると、資格そのものへの意欲が下がってしまうことがあります。仕事の山が見えているなら、その期間は「教材に触れるだけでよい」と決めておくほうが、結果的に継続できます。
また、体調を崩してまで取る価値のある資格はありません。試験は次回もあります。計画は、修正できる余地を残して立ててください。