司法書士とは?最難関クラスの試験と、合格後にできること
司法書士は、不動産の名義変更や会社の設立といった登記に関する手続きを代理できる国家資格です。土地を相続したとき、家を購入したとき、会社を作るときなど、法務局への登記申請が必要な場面で専門家として関わります。
行政書士が官公署への提出書類全般を扱うのに対し、司法書士は登記や訴訟(簡易裁判所の代理権)という、より専門性の高い領域に特化しています。
筆記試験の出題科目は民法・不動産登記法・商法(会社法)・商業登記法・民事訴訟法・民事執行法・民事保全法・司法書士法・供託法・刑法・憲法の合計11科目です。
| 主要4科目 | 民法・不動産登記法・商法(会社法)・商業登記法。配点の約85%を占める |
|---|---|
| マイナー7科目 | 残りの7科目。出題数は少ないが、基準点を満たす必要はある |
試験は午前の部(択一式)・午後の部(択一式+記述式)に分かれ、択一式210点・記述式140点の合計350点満点です。午前択一・午後択一・記述式それぞれに基準点があり、1つでも下回ると不合格になります。
司法書士試験の合格率は、例年4〜5%程度で推移しています。社労士や中小企業診断士と並んで難関資格の代表格とされますが、11科目のうち主要4科目に配点が集中しているとはいえ、全11科目で基準点を満たす必要がある点が、この数字を支えています。
学習時間の目安は3,000時間程度ともいわれ、他の難関資格と比べても長期戦になりやすい試験です。
筆記試験に合格すると、最後に口述試験が待っています。ただし出題範囲は不動産登記法・商業登記法・司法書士法の3科目からの一般常識的な質問が中心で、筆記試験合格者のほとんどが通過する試験です。事実上、司法書士試験の合否を分けるのは筆記試験だと考えて差し支えありません。
司法書士は、実務・試験の両面で宅建士や行政書士と関連が深い資格です。不動産取引の場面では宅建士の知識が、許認可が絡む場面では行政書士の知識が役立つことがあり、ダブルライセンスとして紹介されることもよくあります。
ただし司法書士試験そのものの難易度は、宅建・行政書士とは桁違いです。実際に3つとも取得した人の体験談でも、「宅建は半年、行政書士は4か月で合格できたが、司法書士だけは格が違った」という声が見られます。まず宅建や行政書士で法律の学習に慣れてから、司法書士に挑む、という順番を取る人が多いのはこのためです。