公認会計士とは?2段階の試験と、税理士との違い
公認会計士の中心的な業務は監査です。企業が作成した決算書が、会計のルールに沿って正しく作られているかを第三者の立場でチェックし、投資家や取引先が安心して数字を信じられるようにします。上場企業には監査が義務付けられているため、監査法人という組織的な仕事の場があるのが特徴です。
試験は短答式試験と論文式試験の2段階です。短答式は年2回実施され、財務会計論・管理会計論・監査論・企業法の4科目。合格率は第I回が15%程度、第II回が12%程度です。
| 短答式試験 | 4科目・マークシート形式。合格率12〜15%程度 |
|---|---|
| 論文式試験 | 短答式合格者に加え、会計学・監査論・企業法・租税法・選択科目の6科目。合格率35%前後 |
論文式試験は、短答式で出題される4科目に加えて租税法と選択科目(経営学・経済学・民法・統計学から1つ)が追加されます。電卓の持ち込みが可能で、法令基準集も配布されるため、暗記量そのものより思考力と応用力が問われる試験です。
短答式・論文式を通した最終合格率は7%台(令和7年実績で7.4%)で推移しています。ただし論文式単体の合格率は35%前後と、短答式を突破した人の中では決して低くありません。最初の関門である短答式こそが、この試験の一番の壁だと言えます。
短答式には科目合格制度がなく、1回の試験で全科目の基準を同時に満たす必要があるため、税理士試験のように1科目ずつ積み上げていく戦略は取れません。
「三大国家資格」と呼ばれるほどの難関試験にもかかわらず、公認会計士試験には受験資格がありません。年齢・学歴・国籍を問わず、誰でも挑戦できます。難易度の高さは、受験資格の厳しさではなく、試験そのものの難しさによって保たれている試験です。
公認会計士試験に合格すると、税理士試験が免除され、そのまま税理士登録もできます。監査という企業向けの仕事に加えて、税務相談という個人・中小企業向けの仕事もできるようになるため、独立後の仕事の幅を広げる目的で、公認会計士が税理士登録を行うケースは少なくありません。