基本情報技術者試験は、ITエンジニアの登竜門と呼ばれます。この位置づけには理由があります。
実務では、扱う技術が担当によって偏りがちです。フロントエンドしか触らない、特定のフレームワークしか知らない、といった状態が生まれます。
基本情報は、そこに体系的な土台を与えます。アルゴリズム、データベース、ネットワーク、セキュリティ、システム開発の進め方。断片的だった知識が一本につながる感覚が得られるのが、この試験の価値です。
2023年度から、試験の形式が大きく変わりました。
| 科目A | 60問・90分。幅広い知識を問う四肢択一 |
|---|---|
| 科目B | 20問・100分。アルゴリズムと情報セキュリティ |
以前の午前・午後という区分から、科目A・科目Bに再編されました。あわせて随時受験(CBT方式)になり、都合のよい日を選んで受けられるようになっています。
科目Bでは、特定のプログラミング言語ではなく擬似言語が使われます。特定の言語を習得していなくても挑戦できる一方、擬似言語の記法に慣れておく必要があります。
多くの受験者が苦戦するのは、科目Bのアルゴリズムです。
擬似言語で書かれたプログラムを読み、変数がどう変化するかを追跡して答えを導きます。知識を覚えれば解ける科目Aと違い、その場で考える力が必要になります。
対策としては、実際に紙に変数の変化を書き出しながら追う練習が有効とされています。頭の中だけで処理しようとすると、途中で分からなくなりがちです。
混同されやすい2つですが、対象者がはっきり違います。
| ITパスポート | ITを使うすべての人向け。約100時間 |
|---|---|
| 基本情報技術者 | ITを作る人向け。約180時間 |
ITパスポートは経営やビジネスの知識が半分以上を占めますが、基本情報はアルゴリズムやシステム設計といった技術の比重が高くなります。
非IT職の人が基本情報を目指す必要は、多くの場合ありません。エンジニアとして働く、または働きたい人のための試験です。
特に最後が実質的な効果だと思います。エラーの原因を切り分けるとき、設計の選択肢を比べるとき、土台となる知識があるかどうかで判断の速さが変わります。
実務経験がない段階で取ると、明確な差別化になります。
新卒採用では、多くの企業が入社後に基本情報の取得を求めます。在学中に合格していれば、その分だけ先に進めることになります。
未経験からの転職でも、独学でここまで到達したという証明として機能します。ポートフォリオと組み合わせると、学習意欲と基礎力の両方を示せます。
学習時間は約180時間。1日2時間なら3か月程度です。随時受験できるため、準備が整ったタイミングで挑戦できるのも進めやすい点だと思います。