不動産に関わる資格として、宅建士、管理業務主任者、マンション管理士があります。この3つは誰の側に立つかが違います。
| 宅地建物取引士 | 不動産の売買・賃貸の取引を担当。取引の当事者に説明する |
|---|---|
| 管理業務主任者 | 管理会社側の資格。管理組合に対して報告・説明する |
| マンション管理士 | 管理組合側の資格。住民の立場で助言する |
管理業務主任者とマンション管理士は、扱う知識は近いものの立場が正反対です。前者は管理を受託する会社の側、後者は委託する組合の側に立ちます。
3つの資格は、学習範囲がかなり重なっています。
この重なりのため、続けて受験すると効率がよいとされています。特に管理業務主任者とマンション管理士は試験日が近く、同じ年に両方受ける人もいます。マンション管理士に合格していると、管理業務主任者試験の5問が免除される制度もあります。
| 宅建士 | 合格率15〜17%。学習300〜400時間 |
|---|---|
| 管理業務主任者 | 合格率20%前後。学習300時間程度 |
| マンション管理士 | 合格率10%前後。学習400〜500時間 |
マンション管理士がもっとも難関です。管理組合に助言する立場のため、より深い知識が求められます。
宅建士は受験者数が20万人規模と圧倒的に多く、そのぶん教材も充実しています。最初に取るなら宅建士が入りやすいと考えられます。
不動産業者には従業者5人につき1人以上の設置義務があります。仲介、販売、賃貸管理など、不動産業のあらゆる場面で必要とされ、求人数がもっとも多い資格です。
マンション管理業者には管理組合30組合につき1人以上の設置義務があります。管理会社に勤める人にとっては実質的な必須資格で、資格手当の対象になることも一般的です。
設置義務がなく、独占業務もありません。名称独占資格のため、資格だけで仕事が発生する構造ではありません。管理会社での評価や、独立してコンサルティングを行う際の裏づけとして機能します。
不動産分野では、複数の資格を持つことで扱える範囲が広がります。
学習範囲が重なるため、1つ目より2つ目のほうが少ない時間で取れるのが不動産系資格の特徴です。宅建で民法の基礎を作っておくと、他の資格の学習が楽になります。
目的別に整理します。
| 不動産業界で働きたい | 宅建士から。求人がもっとも多い |
|---|---|
| 管理会社に勤めている | 管理業務主任者。実務に直結します |
| 独立を視野に入れている | 宅建士+マンション管理士の組み合わせ |
| 自宅マンションの管理に関わる | マンション管理士。理事会での判断に役立ちます |
迷ったときは宅建士から始めるのが無難だと思います。民法という土台が身につき、そこから他の資格へ横展開しやすいためです。